(72)ムーミングッズのクリスマス
アドベントとともにクリスマスのライトアップが始まり、サンタクロースのパレードでヘルシンキの街がクリスマスムードで賑やかになる。家の中も一気にクリスマスの準備で華やいでいく。窓辺にキャンドルを灯し、玄関の扉にはリースを飾り、ジンジャークッキーを焼いたり。
この時期になると、毎日のようにクリスマス関連のカタログやらチラシが家庭に届く。家にいても外に出てもクリスマス商戦。プレゼントのことがどんどんプレッシャーやストレスになる人もいるし、クリスマスって本来こんなはずじゃあ、という気持ちになる人だって少なくない。去年のクリスマス商戦では、目にするチラシがどれも似たりよったりで、子供向け、大人向け、あらゆるページにムーミンが登場することが続いた。「右を向いても左を向いてもどこにいても同じようなムーミンがついてくる!」、そんなムーミン攻撃に、ついフェイスブックやブログで叫んでしまう人たちもいたりして。
この一年でムーミングッズの品数は、ずいぶんと増えた。右を向いても左を向いても同じムーミングッズというのでなく、内容を変えたり、デザインを一新させたりもあった。定番はあるけれど、ターゲットを絞りコアなムーミンファン層に、大胆なキャラクターを選んだ商品がずいぶん登場するようになった。ムーミンの人気者たちが一切でていない、そんなグッズまで出ているほどだ。そんなムーミングッズの傾向のある中、クリスマスは少し違う。クリスマスは家族で迎えるひととき。そんな場面では、やっぱりオーソドックスが一番いいという。ムーミンのお馴染みのキャラがいてくれるものが喜ばれるのだ。
アドベントカレンダー、チョコレート、ドライフルーツ、ジンジャークッキー。クリスマスムードを盛り上げてくれるこれらにも、ムーミンものがちゃんとある。そして確かにどれも、オーソドックスなムーミンのキャラクターや柄で占められているのだ。家族の空間にはいつものムーミンで......ムーミンがクリスマスの伝統の仲間入りする日は近いかもしれない、なんて。プレゼントにはコアなキャラクターもいるような目新しい賞品で、そして家族で一緒の場面にはオーソドックスで。今年は右を向いても左を向いても同じムーミン、ということはないかな。
森下圭子
今年はアドベントカレンダーの種類が増えた。他にお菓子が入っているもの、フィギュア入りのものは子供に人気。
クリスマスのご挨拶(日本のお歳暮みたい)やクリスマスプレゼントに欠かせないのがチョコレート。ファッツェルは定番チョコの他に、今年はこんな箱まで登場。