ムーミン谷で遊ぼう!【ムーミン春夏秋冬】
先日、ムーミンバレーパークに新エリアムーミン谷のあそびのひろばがオープン!
場所はコケムス3階、以前はスナフキンとティーティ・ウー、ニョロニョロなどの体験型オブジェやフォトスポットがあったあたり。ボーネルンド監修のもと、雨天でも子どもたちがのびのびと遊べるスペースに生まれ変わりました(入場条件等に関する最新情報はこちらをご確認ください)。
新しくなった壁面のアートはいつでも誰でも楽しめます。
1枚1枚、原作小説の挿絵に込められたトーベ・ヤンソンの想い。単なる背景として見過ごしてしまってはもったいない!
そこで今回は、ムーミン谷のあそびのひろばに描かれた絵とオブジェについて解説してみたいと思います。
海のオーケストラ号のボールプール
まず、入ってすぐ、青いボールがまるで海のように敷きつめられた海のオーケストラ号のボールプール。
モチーフは小説『ムーミンパパの思い出』です。
船に腰掛けているのは若き日のムーミンパパ、隣にはこの船を造ったフレドリクソン。
知り合ったばかりのフレドリクソンにムーミンパパが自分の気持ちや身の上を語る場面がアレンジされています。
見比べてみると、元の挿絵はとても緻密なモノクロ線画。一方、壁の絵は主線なしのカラー構成。それでもまったく違和感を与えないトーベの絵の力に驚かされます。
船に寝そべっているのは、クールでマイペースなヨクサル。スナフキンのお父さんです。
船に乗りそびれたロッドユールは住み処にしていたコーヒー缶ごと海に浮かんでいます。
おっちょこちょいなロッドユールはスニフのお父さんです。
紫色の大きなキャラクターは竜のエドワード。
陸の空き地で建造した海のオーケストラ号を水に浮かべるため、一役買ってくれました。
このお話は、パークの人気アトラクション「海のオーケストラ号」でもおさらいできます。
おもしろいなと思ったらムーミン谷の売店でお土産に原作本をどうぞ! ライブラリー カフェで一休みしながら読んでみてもいいですね。
ムーミンパパの仲間たちは一冊の本にしか登場しないにも関わらず、人気が高く、クリップ付ぬいぐるみヨクサルなんてパーク限定グッズも発売されているほど。
全国巡回中の物販催事MOOMIN POPUP STOREにも『ムーミンパパの思い出』をテーマしたグッズが揃っています。
6月12日(月)までJR品川駅構内2階 JR改札内京急改札前で開催中、6月3日(日)から配布開始のノベルティはヨクサルの豆皿です!
ムーミン谷の空のトラック
続いて、トランポリン似た弾力のある床の上で飛んだり跳ねたり転がったりできるムーミン谷の空のトラック。
こちらには、小説『たのしいムーミン一家』の一場面、飛行おにの魔法のぼうしから生まれた雲に乗るムーミントロールとスノークのおじょうさんが描かれています。
スノークのおじょうさんの雲には錨が刺さっていますね?
原画を見ると、雲が飛んでいってしまわないよう、木に結びつけてあるのがわかります。
ムーミンシリーズはジャンルでいうとファンタジーに分類されることが多いと思いますが、実は、雲に乗ったりモノの姿が変わったりといった超常現象が出てくるのは『たのしいムーミン一家』ぐらい(もちろん、ムーミンたち自身が架空の不思議な存在ではあるのですが)。
前述の『ムーミンパパの思い出』で、発明家のフレドリクソンは科学的な方法で空飛ぶ船を造ろうと試みます。
数々の夢のような(ときには悪夢のような)出来事は、魔法つかいの飛行おにの力によって引き起こされます。
パークのスリリングなアトラクション「飛行おにのジップラインアドベンチャー」 も彼に着想を得たもの。
このひろばのどこかにも飛行おにがいますよ(答えは後ほど)。現地に行ったら探してみてください!
想像を形にするエンマの劇場
小説『ムーミン谷の夏まつり』のエンマの劇場の前には、思いのままに組み立てて遊べる、大きな積み木のような遊具がたくさん。
劇場型のモニターには、原作を再現した映像が流れています。
回転舞台がいきなりものすごい速さでまわりだし、みんな吹っ飛ばされそうになるユーモラスなシーン。ぜひ映像にもご注目を。
エンマの劇場といえば、ムーミン谷の仲間たちのショーを上演するステージの名前でもあります。
その物語は、劇場近くのエンマの店にあるストーリーの扉で紹介されていますよ。
冷たくないモランの氷
どーんと最後を飾るのはモランのコロコロホイール。
小説『たのしいムーミン一家』や『ムーミン谷の冬』、『ムーミンパパ海へいく』などに出てくる、触れたものすべてを凍らせてしまうモラン。
透明のホイールは、モランの作り出す氷をイメージしたんだとか。輪っかの中に入って体ごと回転、自在な動きを楽しむことができます。
ムーミン谷の住人たちから恐れられる存在のモランですが、元気に遊ぶ子どもたちの姿を見て、きっと喜んでいることでしょう。
カラフルなアルファベットとキャラクターたち
また、じっくりと見てほしいのが、通路側の壁に描かれた個性的なキャラクターたち。リトルミイ、ニンニ、写真以外にも人気者からサブキャラまでズラリと勢ぞろいしています。
左端のGの文字に座っているのが飛行おに。
これは、アルファベットを通じて読むことと書くことの大切さを伝える「Reading, Writing and the Moomins」キャンペーンのビジュアルを生かしたもの。
お気に入りのキャラクターの姿はあるでしょうか?
アラビアのアルファベットコレクションマグのように自分の名前や好きな単語の文字を探してまわるのもいいですね。
絵本の世界に飛び込もう
大きなモランのオブジェの奥には、スナフキンと並んで座ったり、絵本『ムーミン谷へのふしぎな旅』の絵に入り込んだりして、記念撮影できるスポットがあります。
さらに進んだ先、絵本『それからどうなるの?』の立体展示も今までどおり。
今後、リニューアル第2弾、第3弾も予定されているそうです。
発表から75年以上たった今でもムーミンの世界は不変ですが、ムーミンバレーパークはどんどん進化していきます。訪れた際には、変化を見逃さず、悔いのよう隅から隅まで遊び尽くしてくださいね!
文と写真/萩原まみ(text&photo by Mami Hagiwara)