ムーミンたちと読書の秋【ムーミン春夏秋冬】
本日11月1日は「本の日」。111と並んだ数字が本のように見えることから制定されたんだとか。
ムーミンの小説やコミックスには、登場人物たちが読書を楽しんだり、書物から情報を得たりする場面がたびたび登場。
「ムーミンたちはどんな本を読んでるの?【本国サイトのブログから】」という記事で、ムーミンのお話にどんな本が出てくるのか、どのような傾向があるのか、知ることができます。
例えば、実在する作品や作家でいえば、ムーミン・コミックス「預言者あらわる」。木の上で自由な暮らしをすると決めたムーミンパパ、ボトル片手に嬉々として開いた本にはアガサ・クリテスティの文字が!
一方、小説『たのしいムーミン一家』で、じゃこうねずみが読んでいるのは『すべてがむだであることについて』という架空の哲学書です。
ホムサ・トフトが読んでいるのは?
ムーミン谷で本好きなのはムーミン一家だけではありません。
毎年、この時期になると読み返したくなるムーミン小説最後の一冊『ムーミン谷の十一月』(ブログ「2020年に読む、新しくなった『ムーミン谷の十一月』」でも詳しくご紹介しています)。
ムーミンママを慕ってムーミンやしきにやってきたホムサ・トフトは、屋根裏の納戸で古い大きな本を見つけました。海底に棲む不思議な生き物について書かれた、難しい専門書です。
読書に不慣れなホムサは、時間をかけて、一字一字たどりながら読み進めていき、次第にその世界へと入り込んでいきました(本の世界が外に出てきた、といったほうがいいかもれません)。
ヤンソン一家と読書
ムーミンの原作者トーベ・ヤンソンにとって読書がいかに重要だったか、「ソフィア・ヤンソンが語る、ヤンソン一家における読書の役割」を読むとよくわかります。
そんなトーベの気持ちを受け継いだムーミン・キャラクターズ社は、数年前から、識字率を上げ、物語に親しみ、表現する楽しさを伝えるための「Reading, writing and the Moomins」という取り組みを始めました。
MOOMIN ARABIAのアルファベットコレクションもそのデザインを用いた人気アイテム。アルファベットの種類が追加されるごとに、文字を組み合わせて作れる単語が増えていきます。フィンランドでは11月29日からC、J、K、P、T、Wがリリース。
ムーミンは本から始まった
本日2024年11月1日(金)から「WINTER WONDERLAND in MOOMINVALLEY PARK 2024」がスタートしたばかりのムーミンバレーパークでも、ムーミンの原点である本がとても大切にされています。
最初に出迎えてくれるモニュメントやウェルカムゲートに込められた意味は「ムーミンバレーパークのみどころ~エントランス編~」や「【Q】Quote(ムーミン作品の名言やことば)」をどうぞ。
また、コケムス2階のライブラリーカフェにはムーミンやフィンランド関連の書籍が約400冊も! 高価な希少本、今では入手困難な絶版本を自由に手に取ることができる憩いの場です。
ふだんはあまり本に親しみがないという方、忙しくてまとまった時間が取れないという方には、絵本やコレクターズアイテムとしても見逃せない『ムーミン谷の彗星』『たのしいムーミン一家』特装版もおすすめです。いっぺんに最後まで読まなくても、ホムサ・トフトのように少しずつ、気分に合わせて、ご自分のペースで、ページをめくってみてくださいね。
来る2025年はムーミン小説の出版80周年。さまざまな企画が準備されていますから、どうぞお楽しみに!
文と写真/萩原まみ(text&photo by Mami Hagiwara)